株式会社イトウは、学生服・企業ユニホーム・介護用品の専門店です。
ある量販店内のインショップです。入学シーズンを間近に控えた3月、同店の入っている服飾フロアではフォーマルウエアや新入学準備品などのフェアを開催。早くから春らんまんの雰囲気です。 インショップで、社長の伊藤が最も大切にしていることが「必ず専門店のノウハウを添えて売る」ことです。 直営する9店舗には、制服に通じた専門スタッフが常駐し、本店と同レベルの接客サービスを提供しています。 とはいえ、量販店のお客様はセルフ購入に慣れているため、過剰な接客を嫌う人も少なくありません。そこで、たとえ説明がなくてもお客様が商品をきちんと選べるように、路面店以上にPOP類を充実させています。売場面積が狭いので、より見やすい陳列の工夫も必要です。基本は、お客様が商品を自由に手にとって選べるオープン陳列。見本品やサイズサンプルなどを含めハンガーをかけるバーを少し低めにしているのは、子どもたちへの配慮です。もちろん、制服の箱を売場に山積みにしたり、ブラウスやシャツを袋入りのままディスプレイするのは禁物です。 商品を袋に入れず、お客様にじかに触れていただける状態にしておくためには、毎日ホコリを払わなければなりません。しかし、それは今や小売店の常識ですよね。店づくりで一番大切なことは、学生服業界の常識や店の都合ではなく、消費者や一般の常識で考えることだと思います。
学生服店の旧来のイメージに縛られず、お客様のためになることをする。そんな持論を持つ社長の伊藤は、自らを「学生服業界の異端」と呼びます。「学生服店だからといって、学生服店らしくする必要はありません。もっと面白いことをやればいいんです」そんな社長が、社員に口を酸っぱくしていうのが「『学生服だから』という考え方はやめろ」ということです。 学生服だから春になれば売れる、学生服だから黙っていてもお客様が来る・・・。 そんな考え方でいる限り、少子化で市場規模が縮小していく業界で生き残っていくことはできません。 一般のアパレルでは、春はこんな商品を売ろう、そのために何をしよう、と戦略を立てるのが常識です。しかし、学生服業界ではまだまだそれが常識になっていないと感じます。戦略の基本は、商品そのものの付加価値を高め、その価値をきちんと伝えていくことです。不必要な値引きをせず、素材やサイズを徹底して見直して品質の向上に取り組んだ結果、現在、売上・シェアともに従来以上の実続を残しています。 いくら安くしても、学生服を1人で2着買う人はいません。これからは、見せかけだけの値引きをするのではなく、『いいものを適正価格で』売ることこそが大切です。そして、買う楽しみ、着る楽しみを提供し、学校の規則の中で、精一杯おしゃれをさせてあげたい。着る人に、そんな価値や満足を提供できることこそが株式会社イトウの喜びなのです。